「水郷の舟に夏膝女づれ」(すばる)ジェット旅客機や新幹線が行き交い、街には車がひしめく現代にあっても、滋賀県近江八幡には水郷と呼ばれる地域があって、昔ながらの舟遊びが楽しめるのは有り難いことである。もう十数年になるのか・・・、家族4人でその水郷で乗合舟で遊んだ。確か一人當り2500円ほどの料金だったか。15人集まらないと舟はでない。 赤銅色に焼けた船頭さんが、櫂を巧みに操って全長800mほどの行程を案内してくれた。水面に浮かぶ我々は池の淵に群生する植物を下から見上げることになる。空は雲一つ無い晴天、櫂が水を押し出す音も快く、命の洗濯をした。 さて掲句は亡父の作品である。これは大人連れであり、膝小僧の綺麗な女性を同伴している。和やかで、少しお色気もある舟遊びが読みとれる。 水郷を頭に持って来て、夏膝という言葉を生かし、下5に女づれと締めた。この膝頭を巡っていろいろ想像させる技巧を持って詠んだのである。 最終更新日 2005年01月24日 11時18分41秒 |